「殺さないよ」から始まる君たちへの懺悔 ー龍編ー

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「殺さないよ」
 私は言ったけど、その言葉が通じたか、それはわからない。
「だって、私とあなたは友だち、ううん、同類だから」
 言葉を重ねると、視界が歪んだ。いや、あの子が揺れたんだ。天井にいる、「あの子」が。
「そうだよ、同類なんだ、私達は。在りし日、『幽霊』『おばけ』とあだ名された私。存在しないとされながら、人々を守ることを命じられた君。」
 一拍置き、ヒュッ、と息を吸う。この私でも、ひと息に喋るのは、やっぱり苦しい。
「かつて私達のあいだには、大きな隔たりがあったね。けれど今は違う」
 そう、人、から、幽霊、になった私とあなたにはもはや壁は存在しない。
「私はここを離れない。だから君も、そこを離れないで。」
 ごめんね、同類。神様との約束を破らせて。でもね。
(守ってほしくないんだ、かつて私を虐め、死に追いやった奴らを。)
 心の中で呟くと、私は彼の側でひゅるりと舞った。
公開:26/02/07 19:24

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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