「殺さないよ」から始まる君たちへの懺悔 ー兎編ー

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「殺さないよ」
と僕は言った。
「だけど」
とウサギは言った。
「その方は、もういらない方なのです。その子もまた、いらない子なのです。増えすぎたものは、縮小しなければ。でなければ、問題は増え、膨らみ続けるのみです。」
 ウサギの話し方はあまりに早口で、あまりに自信過剰で、危うく夜の深い闇に飲まれそうになる。
「冷静になってください。落ち着いて、落ち着いて、彼らを見て」
 僕は言って、体を少しずらした。後ろには二頭のウサギがいた。
 一頭はリーダーを降ろされた老ウサギ、そしてもう一頭はまだ生まれて間もない子ウサギだ。あまりに弱々しい。
「駄目だよ」
 老ウサギが言った。
「掟は掟だ。それを破ってはならない。もし破ると、ほら」        「ほら」の先に目を向けると、ウサギが増殖していた。それは、身の毛がよだつ光景ーー。
「ごめん」
 言って、君たちを捧げる僕。まもなく始まる、「それ」。
公開:26/02/07 09:22

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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