コーヒー・ブレイク

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メジャーに行けそうで行けない、地元の人気バンド。
俺はそのボーカリストだ。

ある日、先輩から神保町の喫茶店に誘われた。
地下の店に入り、コーヒーの香りを感じると体が熱くほてり、上着を脱いだ。

席に着くと先輩は、デビューの秘密を話してくれた。
常連だけに出す「ブレイクコーヒー」。それを飲んだおかげだという。

出されたのは、見た目も香りも普通のコーヒーだ。
しかし一口飲むと、強い酒を飲んだように体が熱くなった。

熱は帰宅後も残り、俺は夢中で曲を書き続けた。
どれくらい書いていたか、記憶にない。

その時に作った曲が、俺たちのメジャーデビュー作だ。
俺は喫茶店の常連となり、店で曲を書くのが習慣になった。

でもあの時以来、ブレイクコーヒーは頼んでいない。
夢中になる熱は心地よかったが、眠れなくなるのが困りものだから。

コーヒーブレイクもほどほどに、だ。
ファンタジー
公開:26/07/18 09:00

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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