ミルククラウン

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 誰かが落とした、ミルククラウン。見つけたのはひとりの勇者。勇者は地面に膝を付き、それをやさしく包み込む。
「美しい」
 呟く勇者は歩き出す。誰のものかは知らないけれど、手入れの良い本当に綺麗な王冠だ。落とした持ち主はさぞ落ち込んでいることだろう。届けてあげなければ。
「この美しい王冠、持ち主はおりませぬか!」
 行く先々で、声を上げる勇者。行く先々で、村人の首が傾ぐのを見た。
 勇者はふたたび、歩き出す。いつまでも、どこまでも歩く。
「これだけ探しても誰も名乗り出ぬ。もしや、これの持ち主はいないのか」
 勇者は呟く。声が散る。足は軋む。とうとう孤独と疲れに涙を流す勇者は思わず知らずクラウンを頭に乗せてしまう。と、その時だった。
「オギャー、オギャー!」
 赤子が泣き叫ぶ声がした。勇者はハッとする。
「見つけましたぞ、王様」
 勇者はクラウンをそっと撫でるーー。
公開:26/06/23 17:23

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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