肝の据わった数珠

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 ええ、母に買ってもらいました。幼少、小学校に上がる前と聞いています。それからほつれた糸の補修を繰り返しつつ、今でも同じ数珠を使っていますね。
 すごいんですよ、この数珠。こう、両の手を入れると、漲るパワーが頂けるんです。
 ええ、そうですね。たしかに。母が買ってくれたから、というのもたしかにあるのでしょう。でもね、ここを見て。ここです。真ん中の水晶玉。仏がいるでしょう。覗いてみてください。
 お、聞こえました?そう、読経です。これが聞こえたのなら、あなたもどうです、おひとつ。え、いらない?高そうだから?
 いえいえ、違いますよ。私はただお誘いしているのです。 
 お誘い?どこにって?それはもちろん。

「おっと失礼。そろそろ時間だ。では私もこれにて」
 そう言って老人は水晶玉の中に入っていった。
 どこからか、読経の声が聞こえてくるーー。
 老人が今も、私を誘っているーー。
公開:26/05/31 17:51

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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