『犬神』

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我が家は犬神筋だ。だから神棚には犬神様が奉ってある。
数百年前のうちの先祖が犬の頭だけを残して地面に埋め、餌をちらつかせて餓死寸前になったところを、その首を切り落として作ったと言うのだ。
生きることの執念か、犬神様は首だけで生きている。犬神様を奉るとは犬神様の世話をすることなのだ。
とは言っても守るべきことは至って単純。
1.常に毛並みを整えておくべし
要はブラッシングをしろと言うこと。毛羽立っているような状態は絶対にいけない。
2.坊主に見つかったら諦めろ
犬神様と言うのは坊主に因縁があるらしく物語の英雄と悪役よろしく運命によって出会ってしまうらしい。もちろん悪役は犬神様で坊主によって調伏されてしまう。それをなるべく遠ざけるのが1の注意事項と言うわけだ。
よく言うであろう、”犬もある毛羽、坊に当たる”と。
その他
公開:18/07/25 18:55
百鬼夜行 妖怪

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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