『筆武将』

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戦国の昔、田丸雅智という武将がいた。
この武将、刀は使えないばかりか、やりも弓もからっきし。かといって兵法に通じているわけでもない。はっきり言って武将としてはまるでダメなのだ。
そんな彼がそれでも一国一城の主となれたのはその筆にある。半紙に面白おかしい短い話を書いては兵士たちに配るのだ。
戦というのはどうしても気持ちが暗澹としがちだが、田丸軍の兵士はこうして士気が保たれていた。
しかし、盛者必衰。田丸氏の城もついに落ちるときがきた。
天守閣に詰め寄った敵兵が見たのは一枚の紙。
『どうしてもオチが考え付かなかったから新作はまた今度』
田丸氏は見事落ち延びたのであった。
その他
公開:18/06/28 11:01
更新:18/06/28 11:02
田丸雅智氏

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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