『温泉レコード』

温泉レコードなるものが発明された。
温泉水に音を録音するものだ。
発明したのは日本人。まさに温泉大国ならではの発明だ。
しかし、どの温泉水でもいいわけではない。炭酸硫黄泉、これに限る。
なぜなら再生に特殊な技術を用いるからだ。
世界初の温泉レコードから有名なJAZZナンバーが流れ、発明者が開設をした動画を見た時、科学者たちはこの技術を魔法だ錬金術だと騒ぎ立てた。
それもそのはず、温泉水中の硫黄を炭素に変換しつつ再生しているのだから。
強制的な核分裂はあの恐ろしい原子力を思わせるが、そこを安全かつクリーンに行っているのが、この技術が錬金術と言われるゆえんである。
発明者は語る。やっていることは実に単純なんです。
SODA(ソーダ)のSをC、つまりCODA(コーダ)に代えていくだけなんですから。