木漏れ日の記憶

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 注文した品が運ばれてきた。
 りんは注文した、木漏れ日の記憶という名がつけられたゼリーを、ひと口食べた。
 と、りんの耳に音が聞こえた。
「ひと口もらうね」
「あっ!」
 さやが、りんのをゼリーをすくい、口の中に入れた途端、さやも怪訝そうな顔をした。
「……りん、何か聞こえなかった?」
「さやも?」
 二人は顔を見合せ、同時にゼリーを口に運んだ。
「水の音?」
「蝉時雨だ、これ……」
「これを食べたら、聞こえたみたいね……」
 おそるおそる、二人同時にゼリーをすくい、同時に食べた。
「「あっ」」
 二人の目の前に懐かしい学校前の並木通りが広がった。
 そう、二人が出会い、仲良くなった並木通りです。
「……木漏れ日の記憶……」
 確かに木漏れ日の記憶ね。と、りんは思った。
「ねぇ、さや、あの並木通り行かない?」
「うん、同じこと考えてた」
 柔らかい笑い声が、店内に溢れた。
 
 
 
その他
公開:18/08/30 11:01

大西洋子( 滋賀 )

ショートショート、童話中心に活動しています。

ショートショートガーデン空想競技2020入賞


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note @yokomare

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