『鍵と鍵穴』
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いつもより早く仕事を終えてマンションに帰り着くと、扉に鍵がささっていた。
ポケットを探ると確かに鍵はある。取り出してみると、突然、鍵から怒鳴り声がした。
「おい、嬶!てめぇ、俺の居ねぇ間に間男を引っ張りこみやがったな!」
「あんた…今日は遅くなるんじゃ…」
な、なんだこれは…。
えーと、これは典型的な『妻の不倫が夫にばれた』というシーンなのでは?
でもなぜ鍵が不倫?そもそも鍵と鍵穴って夫婦関係なのか?
結局その日は何とか喧嘩は治まり、部屋に入ることが出来たのだが、それ以降、僕の部屋の鍵と鍵穴は険悪になってしまった。
鍵は鍵穴を突っぱねるし、鍵穴のほうも鍵を無視する。
そのたびに僕が仲裁に入るのだ。
そんな鍵と鍵穴についに破局がやってきた。二人(?)は別れるというのだ。
「で、あんたは俺とこいつのどっちに付いて行くつもりなんだい?」
そう鍵に責められて、僕は返答に困っている。
ポケットを探ると確かに鍵はある。取り出してみると、突然、鍵から怒鳴り声がした。
「おい、嬶!てめぇ、俺の居ねぇ間に間男を引っ張りこみやがったな!」
「あんた…今日は遅くなるんじゃ…」
な、なんだこれは…。
えーと、これは典型的な『妻の不倫が夫にばれた』というシーンなのでは?
でもなぜ鍵が不倫?そもそも鍵と鍵穴って夫婦関係なのか?
結局その日は何とか喧嘩は治まり、部屋に入ることが出来たのだが、それ以降、僕の部屋の鍵と鍵穴は険悪になってしまった。
鍵は鍵穴を突っぱねるし、鍵穴のほうも鍵を無視する。
そのたびに僕が仲裁に入るのだ。
そんな鍵と鍵穴についに破局がやってきた。二人(?)は別れるというのだ。
「で、あんたは俺とこいつのどっちに付いて行くつもりなんだい?」
そう鍵に責められて、僕は返答に困っている。
その他
公開:18/08/22 12:26
短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー
目にも止まらぬ遅筆を見よ!
twitterアカウント:hyoro4779
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