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「いけない!」
手から転がり落ちた小さなマリは、
草むらの坂を横切って、
深い池の底へ、ぽちゃりと落ちてゆきました。
私はマリが惜しくて惜しくて、
水面をずーっと眺めていると。
水面から蛙が出てきて
「カエルかい? カエソウかい?」
と哭くのです。
「ねぇ、蛙さん。
マリを取ってくれないかしら?」
と尋ねてみますが、
蛙の方は
「カエルかい? カエソウかい?」
としか哭きません。
むっとした私は、
「もういい! 帰る!」
と叫ぶと。
体がすぅっと茶色に変わって、
すっかり蛙になっていました。
マリもないし、蛙になるし、
本当に悲しくなってそこにいると
「カエルかい? カエソウかい?」
と、やっぱり蛙たちが哭くのです。
私も半ばヤケになって
「どうかカエシテ…」
と哭いた瞬間、
ぽんっ!と体が元に戻って、手にはマリがありました。
短気は損気。
話はちゃんと聞くものですよ。
手から転がり落ちた小さなマリは、
草むらの坂を横切って、
深い池の底へ、ぽちゃりと落ちてゆきました。
私はマリが惜しくて惜しくて、
水面をずーっと眺めていると。
水面から蛙が出てきて
「カエルかい? カエソウかい?」
と哭くのです。
「ねぇ、蛙さん。
マリを取ってくれないかしら?」
と尋ねてみますが、
蛙の方は
「カエルかい? カエソウかい?」
としか哭きません。
むっとした私は、
「もういい! 帰る!」
と叫ぶと。
体がすぅっと茶色に変わって、
すっかり蛙になっていました。
マリもないし、蛙になるし、
本当に悲しくなってそこにいると
「カエルかい? カエソウかい?」
と、やっぱり蛙たちが哭くのです。
私も半ばヤケになって
「どうかカエシテ…」
と哭いた瞬間、
ぽんっ!と体が元に戻って、手にはマリがありました。
短気は損気。
話はちゃんと聞くものですよ。
ファンタジー
公開:18/08/21 02:00
更新:19/07/03 01:02
更新:19/07/03 01:02
#太陽物語
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)
さぁさ! もの語りをはじめよう
400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と
明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン
垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る
さぁさ! もの語りが始まるよ!
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