ありがとう

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「ありがとう」
その言葉が、ゆっくりと形になっていった。

はじめは夕焼け空の大きな雲に。
次の日には、海の白波に。

その次の日には、煙突から噴き出る煙に。
また次の日には、揺れる稲穂に。
さらに次の日には、月の表面に浮かび上がった。

文字が出ているのは、10分程度。

私の住む町でしか見れないらしく、
出る時間は定かではない。

そして、この文字を見た人は、
翌日に必ず1つ、願いがかなうのだった。

この現象が世界中で噂になって、
過疎化していた私の町は、一躍、観光名所。

特に告白前の二人が見ると、必ず結ばれると評判になった。

そのうち噂がヒートアップして、
「町を買いたい!」というアラブの富豪も出てくる始末。



ところが、ある日。

「さようなら」と浮き出てきた。



この現象に、世界中がざわめいた。



そして、
町が日没を終えた瞬間。

地球は一瞬で消し飛んだのだ。
その他
公開:18/08/21 00:28
更新:18/08/21 02:50

やまのまや( 東京 )

いそがしさにかまけて、しばらくお留守にしていたら。
初めての入賞を頂戴いたしました。素直にうれしいです♪
https://short-short.garden/contest/532923
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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