4
24

あたしの耳には
普通では、聞こえないものが聞こえてくる。

誰かの心、ひとり分。
ただ、誰かはわからない。

あの日も、バス停で待っていたら。
またあの「声」が聞こえてきた。

『…今日も、残業か』
『メシ、食いたいな』

どうやら男の人らしい。
このバスに乗るのかな?

『結局、また殺すことになるんだよな』

…え?

『あーあ、面倒くせぇな』
『いい獲物、いねぇかな』

殺人? 
それよりも、誰の声かしら??

見まわしたけど、それらしい人なんて見当たらない。
もし殺人だったら、どうしよう。
証拠もないし、突き止めようにも…

『やっぱ、しゃーねぇ』
『今夜も、ヒト狩りするか』

声の方に目をやると、
ゲームをしている男の人が見えた。
なぁんだ。ゲームの話かぁ。

でも。。。

あたし、その男と目が合った。
男はあたしを一瞬みて、目をそらして薄く笑った。

『今夜は、アイツにするか…』
ホラー
公開:18/08/19 10:12

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容