いしころ

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いしを蹴った
前にとんだ

いしを蹴った
水面(みなも)にはじけた

いしを蹴った
ぱりんっとなって
雷親父の声がした

ボクは逃げた


いしを蹴った
草むらにおちて
トンボが飛び出た

いしを蹴った
河原の向こうで
ぎゃっと言った

灰色の人が
段ボールから顔を出した


いしを蹴った
今度は
何も起きなかった

不思議になって、
もう一度、
いしを蹴った

力いっぱい
いしを蹴った

いしは高く高く、高く飛んで
真っ青な空に消えていった


あのいしが行った先を
ボクは今でも知ることはない

だけどきっとあのいしは、
行った先で、
何かやらかしてるに違いない

ボクはそれを思い描いて
時々にたりと、笑うのだ
その他
公開:18/08/19 01:22

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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