ホオズキ 〜 太陽物語

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まだお日様が、
地上で暮らしていた頃のお話。

深い森で、
お日様がお散歩をしていたら。
狐が何事かと顔を出しました。

太陽を始めてみる狐は、
その眩しさにびっくりして、
あわててこう言いました。

「どこのどなたか、まばゆいお方。

あなたの高貴なお姿は、
森の隠れものには、
あんまりにも光が強すぎます。

どうか
お隠れになっては
くださいませんか?」

でも、
お散歩を続けたかったお日様は、
思案の挙句にこう言いました。

「わかったよ、森の賢者さん。
そこのまぁるい実を付けた
草の中に入るから、
君が案内してくれたまえ。」

その実にお日様が身を寄せると、
森の中で
ちょうど良い輝きになりました。

狐はそのひと枝を持ち、
お日様が満足するまで、
森を案内してあげました。

それ以来、
ホオズキは赤い実を付け、
狐は体が焼けて
黄金色になりましたとさ。

今は昔の物語
ファンタジー
公開:18/08/13 23:49
更新:19/07/03 01:03
#太陽物語

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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