伝搬

私が、ふと思ったことは、
リアルになって、誰かの処に届くらしい。

そう、何気なく浮かんだコトだけ。

ほとんど記憶に残らない、
ほぼ無意識で、些細なコトだけ。

意図的に考えたコトは、
残念ながら届かない。


ある日、電車を待っていたら、
目の前のヒトが、飛び降りた。

ある日、信号を渡ろうとしたら、
トラックが、反対車線を逆走しだした。

ある日、ベンチで休んでいたら、
カラスがハトに追われてた。

ある日、学校で掃除してたら、
突然、窓が一斉に割れた。

ある日、カフェでお茶していたら、
つかみ合いのケンカが起こった。

ある日、自宅で勉強してたら、
隣の家から、悲鳴が聞こえた。


私は、何もしていない。
私は、何も考えてない。

ただ、日常の騒々しさが、
私の世界を彩っている。