はまなす 〜 太陽物語

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まだ神様が、
人間や動物たちと
暮らしていた頃のお話です。

お日様が、
白い砂浜をお散歩していると、
一輪の可憐な花が、
恥ずかしそうに
こちらを見ているのに
気が付きました。

その様子が
可愛らしかったので、
お日様は
じーっと覗き返しました。

少女のように顔を赤らめ、
精一杯の小さな声で
お花はお日様にこう言います。

「お顔があついわ。
どうかあまり、
見つめないでくださいますか?」

ところがお日様は、
その様子が
さらに可愛らしかったので、
ますますお花に近寄ります。

お花は
お日様の光と熱で、
お顔も体も
あんまりにも暑かったので、

体にたくさん
イラクサを巻いて、
頬を赤らめたまま、
藪の中へ
そそくさと隠れてしまいました。

そうやってはまなすは
今でもイラクサを体に巻いて、
可憐なお顔を赤らめながら、
大好きなお日様を、
恥ずかしそうに
見つめているのです。
ファンタジー
公開:18/08/07 22:37
更新:19/07/03 01:07
#太陽物語

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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