夕焼けバッタ 〜太陽物語

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これはまだ、人と草木が
おしゃべりできた頃のお話。

草原を駆け抜ける
美しい緑のバッタがいました。

バッタは
自分の体の美しさを
誇らしく思っていて、
いつでも高く跳ぶのでした。

ある時
バッタが眠っていると、
あたりの草木が
ざわつく音で目が覚めました。

目の前には、
燃えるような夕焼けが広がります。

この美しい赤い色に
バッタはすっかり心奪われて、
沈みかける太陽に

「ああ! ああ!」

と、呼びかけました。

太陽は
その声を聞いて、
笑ってバッタにこう、言いました。

「君が望むなら、
ここまで追いかけてきてごらん?」

そうしてバッタは、
太陽めがけて跳びました。

体は焼けて真っ赤に染まり、
羽根は大きくなっていきます。

バッタは
真っ赤なトンボになって、
燃える夕日を追いかけていました。

力尽きていなければ、
今でも夕日を
追いかけ続けていることでしょう。
ファンタジー
公開:18/08/08 17:38
更新:19/07/03 01:06
#太陽物語

やまのまや( 東京 )

いそがしさにかまけて、しばらくお留守にしていたら。
初めての入賞を頂戴いたしました。素直にうれしいです♪
https://short-short.garden/contest/532923
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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