サクラのせい

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僕はPCの前にいて、
君へのラヴレターを書いている。

覚えているかい?
夏の日の出会いのことを。

色づく秋に手を取り合って、
冬の寒さが距離を縮めた。

そして春の桜の下。
涙に濡れた別れがあった。

あの桜の薄淡色は、
今でも胸を締め付ける。


今一度、僕は君を確かめたいんだ。
本当に、君は居たのかい?

吹きすさぶ
春の嵐をその身に受けて、
君の涙は持ち去られた。

桜吹雪は声をかき消し、
薄紅色の君の姿は
花びらと共に風に消えた。

夏の空気も香しい頃、
君の記憶も薄くなる。


だけど、確かに君は居たんだ。
僕は今でも覚えている。
そのぬくもりと優しい笑顔。

やるせない僕の気持ちは、
ラヴレターに滴り落ちる。

記憶の中にいた君を、
このつたない文章の中で、確かめている。

記憶の限り
君のいた足跡を残し、
僕はどこかで信じている。

繰り返す
君との出会いと、その瞬間を。
恋愛
公開:18/08/08 11:19
更新:18/08/09 00:10

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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