なべよこ交差点 ~ 新中野

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「そんなこと、あるわけないだろ!」

男が腕を振り払うと、彼女は少しのけぞっていた。

「だってぇ~!
 みたのよ!あたし!」

ただでさえ暑い夏の夕刻、
信号待ちでいちゃつくカップルをわき目に
いささかむっとしながらも、
耳はそっちに釘付けになる。

「UFO!いたのよ!
 ここの上に!」

「んなわけないだろ!ボケ!」
「あ~ん、まってぇ。。。」

信号が変わり、男は足早に立ち去ろうとする。
ちょっと怖がりなようだ。
彼女は振り返りつつもぷりぷりしながら、後に続く。

(UFO、ね)

私は、クスりと息をつく。
在りもしないUFO話。
こっちは仕事帰りで疲れているのだ。
早く帰って、ビールで一息つきたいものだ。

私はニヤリとほくそ笑んで、
交差点を横切っていく。


見えるはずが、あるわけないのだ。

数日前からその場所は、私の家族が工夫していて、こちらの様子を観ているのだから。
ファンタジー
公開:18/08/06 17:33
更新:18/08/31 16:21
#メトロ丸ノ内線

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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