クリスト・マキナ

2
42

その佇まいの先に、彼女がいるのだ。

激しく揺れる嵐の中にも、
やさしく包む木漏れ日の中にも。

彼女はただ、微笑みながらそこにいるのだ。

そう、あすこに見える、
青い家のその先に。

学校へ行く近道の
田園の中に、彼女はいるのだ。


そして私は恋をしたのだ。

白亜の素肌も滑らかな、
天にその身を捧げる聖女に、
明かされることのない、恋をしたのだ。

時は流れ、去りし月日の恨めしく。
私はいつしかこの地を離れ。

気が付けば、彼女はとうに忘れ去られて。
私もすでに、老いさらばえて。

願わくば
最後のひと目を仰ぎ観んと。

老いた足を引きずり携え、
私は彼女を求め来たのだ。


ああ、あれを観よ!
白亜の奥の真実を!


崩れ去る造詣の内に、
白骨の覗き見る美しさ。

彼女はかつて
生きていたのだ

そして再び
生まれ出たのだ…


その佇まいは、なお美しく
わが恋心は、歓喜するのだ
ミステリー・推理
公開:18/08/06 15:38
更新:18/08/31 21:33

やまのまや( 東京 )

いそがしさにかまけて、しばらくお留守にしていたら。
初めての入賞を頂戴いたしました。素直にうれしいです♪
https://short-short.garden/contest/532923
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容