カラスのそよ風 ~ 太陽物語

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カラスは大きく哭きました。

昨日は、子猫を食べました。
一昨日は、鼠を食べました。
今日は、小雀を食べました。

小さなものが大好きなのに。
食べないと生きられない。

だからどうにもやり切れなくて、
ビルの上で哭くのでした。

その日は蝉を食べました。

いつものように
ビルの上まで飛んで行き、
カラスはカァーと哭きました。

神様が、その哭き声を聞きました。
「なんと悲しく哭く声か。」

声の主を見つけると、
雲の下まで出向いて行って、
カラスと並んで座ります。

「お前は何が悲しいのだい?」

「ああ、大神様。聞いてください。
 私は小さなものが好きなのです。
 食べることが耐えられない。
 だけどそれでは生きられない。」

「ならばお前は、
 したいようにするがよい。」

そうしてカラスは気が付けば、
優しい風になっていました。

小さなものを見守って、
包むようにそよぐのです。
ファンタジー
公開:18/08/07 01:03
更新:19/07/03 00:59
#太陽物語

やまのまや( 東京 )

いそがしさにかまけて、しばらくお留守にしていたら。
初めての入賞を頂戴いたしました。素直にうれしいです♪
https://short-short.garden/contest/532923
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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