2
33

22時を過ぎると、必ず聞こえる鎖の音。

じゃりん。じゃりん。

毎晩、同じ時間に、背後を必ず通り過ぎていく。
私はいつでも、振り返るのが怖くて、音が過ぎるのをひたすらに待つ。


じゃりん。じゃりん。


ここは、マンションの12階。
こんな音、するはずもない。


じゃりん。じゃりん。…。


止まった。真後ろだ。
こんなことは初めてだ。
どう、やり過ごそう。


ふと、LINEが鳴った。

暗闇の中、画面が光る。
1件の、メッセージ。
見知らぬ、ユーザ。

マキマスカ?
スリマスカ?
サゲマスカ?

どれを選んでも、ヤバそうだ。

また、通知が。

マキマス

その瞬間、喉元を引き締められる。

もうダメだ!
息が!痛い!苦しい!

このまま、私は…


…次の日の朝。
大量の寝汗と共に目が覚めた。

なんだ、夢か…

と鏡を見ると、首には赤い鎖の後。
LINEには、1件の光る通知…
ホラー
公開:18/08/06 22:59
更新:18/08/10 22:06

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容