海のない県に生まれた私、僕

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海のない県に生まれて育ったから、ふと海に行きたいなんて、そんなセンチメンタルな気持ちにはならない、でも、センチメンタルな気持ちにはなるわけで、だから、そんな時、私の好きな本の主人公は海に行く。だから、私も海に行きたくなる。
「あんさ」
「うん?」
「もしもさ」
「うん」
「学校の近くに海があったらさ、帰り道毎日海の横をドラマみたいに歩いたんかな?」
「どーやろね」
「ウチら海無し県やで海に憧れあるやん?」
「そーお?」
「え、ないん?」
「もともと海が無いのが当たり前やでなー」
「そやけどさー」
「やで海があったらなとか考えたこともないわ、え、海行きたいん?」
「え、まぁ、え、うん」
「なら、行こか今週の土曜日」
「え、うん。え、行く!」

でも、「海がないから」なんて理由で学校のない日も君に会えるから、それはそれで良かったかもなんて思いながら君と海を想像して歩いてる、歩いてる。
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公開:18/05/15 03:20

リョウスケ( 東京 )

1997

例えば、もしも、きっとが好き
全ては振り返ればの話で、
振り返った時それは時間ではなくて瞬間

声に出して読んでほしいです。


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