渡り廊下とポカリスエット

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真夏の移動教室がとても嫌いだった。冷房の効いた教室から出た瞬間の廊下の蒸し暑さにくらりと立ちくらみをするからだ

「え、次どこだっけ?」
僕の2歩後ろを友達と歩く君に聞く。
「理科室だよ」と君は気だるそうに答える
「うわ、北舎じゃん」

僕らの教室は南舎でだから理科室に行くには渡り廊下を渡らないといけなくて、という事は太陽に直接当たらないといけない。
渡り廊下を目の前にした時2歩後ろを歩いていた君が鼻歌を歌いながら僕を追い越した。
「ポカリの歌じゃん」と僕は言う
「そうそう、好きなんだこの歌、飲む?ポカリ」と君は僕にペットボトルを差し出す。
一瞬僕は動揺した。
「うっそーこれポカリじゃないし、麦茶だし~」と君は笑いながら北舎に行った、北舎から南舎の僕を君が呼ぶ。
多分、この渡り廊下の距離が僕達の今の距離なのかもって僕は思いながら、渡り廊下を渡り始めた。
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公開:18/06/16 02:33
更新:18/06/16 02:36
#ポカリって関節キスを連想する #夏は高校生たちの季節

リョウスケ( 東京 )

1997

例えば、もしも、きっとが好き
全ては振り返ればの話で、
振り返った時それは時間ではなくて瞬間

声に出して読んでほしいです。


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