お裾分け

　ごっめん待ったー？　作業着でメイクもどろどろで、ごめんねごめんねー。あ、でもね、活きがいいのは保証付き！　だって今日はいいことあったんだー。告白してね、ＯＫ貰えたの！　すっごく嬉しいの！

　お邪魔します。お加減いかがですか？　二人目ですかぁ、いや、なかなか。でも心配要りませんよ、あぁ、僕は最近瞑想が趣味でして、それでお役に立ちたい境地に。セロトニンがたくさん分泌されますから、リラックス出来ますよ。

　え、どうしたんですか、三人目？　大丈夫ですか、えと、俺、十八の誕生日の記念で、頑張って応援します！　元気になります、大丈夫です、解らなくってもいつか会いましょう。お姉さんもおじさんも、俺もついてます。だから。

　目が覚めると、真っ白な病室だった。車に轢かれた所までは覚えている。
　1.2リットルの輸血で、一命を取り留めたらしい。献血は確か一人400ミリリットル。三人分の命のお裾分けだ。