『ガンマンのジンクス』

2
105

俺は、ビリー・ザ・キッドに憧れてガンマンになった。
今は根無し草のようにフラフラと各地を渡り歩いては悪党を退治している。
俺には一つ願いがある。それはこの世のすべての悪党の消滅だ。
その願いを叶えるために俺はジンクスを定めている。
一つ、弾の無駄撃ちはしない。一人一発。一撃であの世に送ってやるのさ。
二つ、弾は極力安いものを使う。たとえ曲がって進もうが銃から飛び出てくれればそれでいい。
三つ、旅の荷物は少なく、贅沢は禁止。
悪党の大半は賞金首だ。だから俺は実は一生遊んで暮らせるほどの金持ちだ。銀行口座の額を見たらびっくりするぜ。
だがその金を俺は使わない。旅をするのも頑丈な馬車を使えるが、徒歩かロバだ。
それもすべて願いが叶うようにだ。ケチケチしたガンマンだからこそ神様は願いを叶えてくれる。
ケチガンというやつだ。
その他
公開:18/06/03 11:35

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容