蝉の声と冷えピタ

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セミの鳴き声が体育館の中に響いていた昼休み君は前髪を結んで、おでこには冷えピタを貼って、踊っていた。

ミーン…ミーン…ミーン…

体育館にはセミの鳴き声と君の呼吸の音が響いている。
僕に気がついて君はタオルで汗を拭きながら「文化祭で踊るんだ」と言った。

「へー」なんて適当に返す僕に君は「反応薄いかよ!」って言いながらペットボトルを手に取って水を飲む。

「なんで夏が暑いか知ってる?」

君は得意げな顔をして僕に言う

「夏だからっしょ」
「はい、バカー正解は蝉が鳴いてるからでした!」

僕は思わず「は?」と言った
すると君は

「風鈴を聞くとさ涼しく感じるじゃん?それと同じで、セミの鳴き声を聞くと夏が来たーって気がして暑いなーって余計に思っちゃうの」

僕は納得してしまっていた

セミが鳴いている
君はペットボトルを置いて

「暑いね」

と言った。
君はとても冷えピタが似合っていた。
青春
公開:18/05/23 07:42
更新:18/05/23 07:48

リョウスケ( 東京 )

1997

例えば、もしも、きっとが好き
全ては振り返ればの話で、
振り返った時それは時間ではなくて瞬間

声に出して読んでほしいです。


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