『葱農家』

0
193

農業ちゅうんはリスキーな商売言うのが世間一般の認識やろな。天候に左右されよるし、出来によって値段に天地の差がつきよる。
そんな中でいっとうリスキーなんがウチら葱農家や。
業界内でさえ、「なんでそんなリスクしかないもんを育てよるんか」と言われる始末。
その引き金となんのが、葱の花、いわゆる葱ぼうずや。
おお、口にするのさえ恐ろしいな。
でな、これが咲きよると、まず葱は固くて商品にならへん。この時点で収入はゼロや。一つでも咲いたら全部ダメ。これが、葱業界の鉄則や。だからウチらは栽培に細心の注意を払うんやで。
でもな、これはまだ序の口や。花がめくれとったら最悪。ダメんなった葱を捨てるだけやなく、畑、家、土地、預金通帳までみぃんな捨てなならへん。
な、葱にはこんだけのリスクがあるんや。
ん?なんでそんなに手放さなければならへんのやって?
そりゃ坊主をめくってしもたんやからな、手持ちは全てパァや。
その他
公開:18/02/21 21:06

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容