『彼女を待ちながら』

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”桜の花の咲く頃に、貴方のところへ向かいます”
彼女から来た一枚の葉書。これを手に、僕は待っている。
このアパートの202号室で。
彼女が越してくるのは102号室。
何て言うか、これは二人で決めたこと。
恋人以上、夫婦未満。同棲までは至らず、付かず離れずの距離は、隣どうしでもなく、同じ建物の上下階。
これが、僕らの心地よい距離。
本当は一緒に暮らし始めるはずだったけど、彼女は何かの都合で遅れるのだと言う。(この辺を教えてくれないのもいい距離感だ)
窓から見える桜は、まだ蕾が綻びかけてさえいない。
だから、僕は待っている。
彼女の物で満たされる102号室を。桜の花を。
開花(階下)を待っているのです。
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公開:18/02/17 21:12

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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