君は誰も止まらない信号で止まっていた

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東京都23区外のこの街のこんな時間のこの道路は車なんて走らない。ってのがこの街のこんな時間に歩く大人たち、つまりは、終電を逃した大人たちの常識だった。
だから、この信号を守る人はいない。
僕もその中の1人だった。でもその日は何か違くて、僕は、信号を守っていた午前2時。
何人かの大人たちが僕を通り過ぎて行った。
「珍しいですね。この信号守ってる人」
それは突然の声で、僕はびっくりして、しゃっくりは止まっていた。すぐに僕は「あ、はい」と返す。
「でもこの信号日付またぐとボタン押さないといけないんですよ、私も最初知らなくてずっと待ってました、へへ」
その人はそう言ってボタンを押していた。ありがとうございます、とお礼を言う。その人はニコッと僕を見て「いえいえ」と言った。その瞬間信号が青に変わった。僕は横断歩道を渡りながら、また、ありがとうとお礼を言った。
午前2時5分、季節は冬も終わりかけだった。
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公開:18/02/09 06:25
#叙情的に

リョウスケ( 東京 )

1997

例えば、もしも、きっとが好き
全ては振り返ればの話で、
振り返った時それは時間ではなくて瞬間

声に出して読んでほしいです。


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