『小噺:ある花火師の挑戦』

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 えー、毎度ばかばかしいお話で一席おつきあい願いたいと思います。
 江戸の昔にとある花火師がおりましてね。この花火師、たくさんの花火を如何に芸術的に打ち上げるかってぇのを日夜考えておりました。昔の花火ってのは今みたいにコンピュータで制御しているわけじゃあありませんで、火を点けるタイミングを変えたり、導火線の長さを微調整したり。裏方の工夫ってのは大変なもので。
 で、そんな花火師がある日天啓を閃いたんですな。
「そうだ、花火に言うことを聞かせればいい。小犬みたいに調教して、『待て』と言ったら待つ。『よし』と言ったら打ち上がる。そうすれば正に意のままだ」
 こうして、花火師のおかしな挑戦が始まった。でもね、これ、惜しいことに失敗。花火は火薬ですからね、躾け(湿気)させたらいけなかったんです。
その他
公開:18/01/30 22:14

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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