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魔法使い通信講座を受講する彼女が、ついに次の段階へと移行した。
step2.ものの姿を変えること
卵の殻、即ち常識の殻を破り、魔法の真実を得ることにほぼ二か月をかけて、漸く。
彼女は常識そのものを、変えることに成功した……卵の色を、変えられるようになったのだ。
購入時に真白だった卵が、赤橙黄緑青紫に色を変え、整然とエッグケースに並んでいる。
果たして、進歩と言えるのか。
縋る彼女の眼差しに「いいんじゃないかな、きれいだし」と、当たり障りのない言と、差し出すコーヒーで誤魔化す。
因みに中の『黄身』までが『赤身』、『橙身』、『青身』に変化していて、ボウルに割り入れると中々不気味にカラフルだ。
すっかり自棄になった彼女は、絵の具の要領で全色を混ぜ上げて漆黒のパンケーキを焼くと息巻いて、泡立て器を握りしめたが、ボウルから立ち上った虹に窓から逃げられて、休日の朝食はお預けになった。
step2.ものの姿を変えること
卵の殻、即ち常識の殻を破り、魔法の真実を得ることにほぼ二か月をかけて、漸く。
彼女は常識そのものを、変えることに成功した……卵の色を、変えられるようになったのだ。
購入時に真白だった卵が、赤橙黄緑青紫に色を変え、整然とエッグケースに並んでいる。
果たして、進歩と言えるのか。
縋る彼女の眼差しに「いいんじゃないかな、きれいだし」と、当たり障りのない言と、差し出すコーヒーで誤魔化す。
因みに中の『黄身』までが『赤身』、『橙身』、『青身』に変化していて、ボウルに割り入れると中々不気味にカラフルだ。
すっかり自棄になった彼女は、絵の具の要領で全色を混ぜ上げて漆黒のパンケーキを焼くと息巻いて、泡立て器を握りしめたが、ボウルから立ち上った虹に窓から逃げられて、休日の朝食はお預けになった。
ファンタジー
公開:18/03/19 10:00
更新:18/03/19 10:17
更新:18/03/19 10:17
幻想、怪談、時代物。その他諸々、わりと節操なしに書き散らす(自称)小説屋、やぐち・さとりです。
プチコン花に「花水」が選出。
プチコン海に「真珠」が選出。
プチコン七夕に「烏合の橋」が選出。
名作絵画SSコンテストに「カウンセラー」が文春編集部賞選出。
働きたい会社 ショートショートコンテストに「オフィスカフェ」が選出。
ショートショートは400文字きっちり縛り。
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