卒業式に桜は咲かない

卒業式を思い浮かべると桜は満開で僕は満面の笑みで涙を流していた。でも、実際は僕は涙を流したことはないし、桜なんて咲いてたこともない。

僕は桜が咲かない理由は、好きな先輩がいる後輩と卒業生たちのせいだと思う。
それは、桜が咲くとなんだか、卒業が早くなってしまう、気がするからだ。

だから、卒業生は、後輩たちは
「ああ、神様、桜なんて咲かないでください」って願うのだ。
願いが桜の開花を少し送らせるのだ
それでも、時間は戻ったり止まったりはしなくて、卒業はやってきてしまう。だから、卒業式で桜は咲かない。でも、そこには、無数の「願い」があるのだ。
願いの中で卒業をしていき、溢れる涙を桜は受け止めて、そして、花を咲かせるのだ。
だから、僕は桜は悲しいと同時に願いの花だと思う、そう思う、そう、思う。