パイプの精

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 パイプを吸おうと思ったら、吸えなかった。見ると、先端に男がいた。男は椅子に座っており、かすかに出て行く煙に合わせて気持ち良さそうに揺れていた。
「え、どちら様….?」
 尋ねたが、男は答えない。聞こえないのかともう一度声を上げようとすると、男のうめき声がした。
「なんだよ、人が気持ちよく寝てるのに。もう吸うのをやめたのか?」
 不服そうな声が返ってくる。
「まったく、仕事のあとはゆっくり寝かせてくれよ」
 ブツブツ文句を言う男。
(私だって、書き物のあとのパイプを楽しみにしていたんだが)
 言ってやりたかったが、思うだけに留めたのは、男と同レベルになりたくなったからかな。
 それでも男の安眠の手伝いをするという優しさはないと、灰皿にパイプを投げる。刹那、男の「ギェッ」という声が聞こえ、煙と共に、宙に消えた。
公開:26/10/11 11:48
更新:26/10/11 12:02

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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