ギオニア戦争～神々の競宴

『最も美味しいビールの音に』
ギオニアの園で開かれた神々の酒盛り。宴もたけなわの最中に現れた黄金のジョッキをめぐり、グビグビ、ゴクゴク、チビチビの三柱の音神が諍った。

「豪快さと勢いこそビールの華よ」とグビグビ神が口角泡を飛ばし、
「ビールのゴク意は喉越しであろう」とゴクゴク神が自慢の喉を響かせ、
「じっくり味わってこそのビールぞ」とチビチビ神は噛んで含める様に説く。
いずれ劣らぬ音神が、我こそ最上の音と、代わる代わるジョッキにビールを注いで回るものだから、宴席の神々はみな酔い潰れてしまった。


「プハー、弱った事になったわい」
勝敗が持ち越しとなった音争いの翌日。審判を預かるプハー神は、溜め息をこぼしつつ地上へ赴いた。
「座興のつもりがしくじった。我らではもはや丸く収まらぬ」
さる物語の庭で、音のビアガーデンが催されていると聞く。こうなったら、人の洒落心を尽くした『音』を拝酌しよう。