6
6
「ばあちゃん、私の植えた牡丹咲いたよ」
「絹代はええ子やな。牡丹の妖精さんが願いを叶えてくれるよ」
「ばあちゃん、それ何度も聞いたよ」
「そうかい? 歳はとりたくないの」
「ほんとだね。歳はとりたくない」
その夜、ばあちゃんは動かなくなった。
そして、いつものように牡丹から妖精が現れた。
黒い束帯を着た平安時代の貴族のような妖精だ。
西洋の妖精みたいに可愛くない。
「我を育てし者よ。願いを言え。どんな願いもできる限り叶えてやる」
「ばあちゃんを動けるようにして下さい」
「お安い御用だ。そら、これを使うが良い」
渡されたのは、銀色の丸く小さな物体。
ボタン電池だ。
私は、ばあちゃんの背中の電池入れを開け、ボタン電池を入れた。
「絹代、ありがとのう」
「ばあちゃん、私ももう百歳。あと何年ばあちゃんを動かせるかな」
「絹代はええ子やな。牡丹の妖精さんが願いを叶えてくれるよ」
「ばあちゃん、それ何度も聞いたよ」
「そうかい? 歳はとりたくないの」
「ほんとだね。歳はとりたくない」
その夜、ばあちゃんは動かなくなった。
そして、いつものように牡丹から妖精が現れた。
黒い束帯を着た平安時代の貴族のような妖精だ。
西洋の妖精みたいに可愛くない。
「我を育てし者よ。願いを言え。どんな願いもできる限り叶えてやる」
「ばあちゃんを動けるようにして下さい」
「お安い御用だ。そら、これを使うが良い」
渡されたのは、銀色の丸く小さな物体。
ボタン電池だ。
私は、ばあちゃんの背中の電池入れを開け、ボタン電池を入れた。
「絹代、ありがとのう」
「ばあちゃん、私ももう百歳。あと何年ばあちゃんを動かせるかな」
SF
公開:25/11/08 19:11
更新:25/11/08 21:14
更新:25/11/08 21:14
ログインするとコメントを投稿できます
天文のエドワード