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エンディングノートを頼りに葬儀屋を訪ねると、父は酒楽葬なるプランを契約済みらしい。担当者のお陰で全てはつつがなく進んだ。
「この度はご愁傷様です」
葬儀の受付で、見慣れた缶ビールが配られていた。なんと献杯から始めるという。
「あいつ、これが一番好きだったもんなぁ」
会場は父の仲間たちの涙に包まれる。
程なくして、読経が始まった。
「逅美喉靡譜波」
ん?
「豊酒宇極悟空」
これは、もしや……。
「向こうで好きなだけビールを楽しめるようなお経を上げさせてもらいました」
一礼し、お坊さんは微笑んだ。
納骨を終えた墓の前で、プルタブに指をかける。
プシュッ。グビグビ、ぷはぁ〜っ!
これが一番好きだった? 日本酒しか認めねえって言ってたくせに、このビールの何が分かる。企画から商品化まで何年かけたと思ってるんだ。
お前なんて、あの世で死ぬほどビール飲んどけ。
俺が行くまで、俺のビール、一生飲んどけ。
「この度はご愁傷様です」
葬儀の受付で、見慣れた缶ビールが配られていた。なんと献杯から始めるという。
「あいつ、これが一番好きだったもんなぁ」
会場は父の仲間たちの涙に包まれる。
程なくして、読経が始まった。
「逅美喉靡譜波」
ん?
「豊酒宇極悟空」
これは、もしや……。
「向こうで好きなだけビールを楽しめるようなお経を上げさせてもらいました」
一礼し、お坊さんは微笑んだ。
納骨を終えた墓の前で、プルタブに指をかける。
プシュッ。グビグビ、ぷはぁ〜っ!
これが一番好きだった? 日本酒しか認めねえって言ってたくせに、このビールの何が分かる。企画から商品化まで何年かけたと思ってるんだ。
お前なんて、あの世で死ぬほどビール飲んどけ。
俺が行くまで、俺のビール、一生飲んどけ。
その他
公開:25/11/09 16:09
更新:25/11/09 16:14
更新:25/11/09 16:14
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