ズーピッ!
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名前からして面白い。俺が訪れたのは、「ズーピップッハー・ゲッフ島」という南国の孤島だ。
人気のない浜辺で、俺は缶ビールを飲み始めた。鼻に抜けるフルーティーな香り。島でとれた果実を発酵させて作った地酒だそうだ。
「プッハー! あー、たまんねえ」
すると、浜辺のあちこちから奇妙な鳴き声が聞こえてきた。
「ズーピッ!」
「ズーピッ!」
気づけば足元には、ヤドカリに似た生き物が次々と出現していた。
巻き貝ではなくビールの空き缶を背負っていて、白い胴体の一部が見えた。
「ハハ! お前らも酒好き? ほらよ」
酔った俺は謎の生き物たちにビールをふりまいた。「ズーピッ!」の大合唱が波のように繰り返される。
飲みながら、1匹を缶ごと取り上げてみた。胴体が引っこむと、缶の奥で低い声が響いた。
「ゲッフ! あー、たまんねえ」
驚いてビールを飲みこむと喉の奥から、「ズーピッ!」と勝手に音が鳴った。
人気のない浜辺で、俺は缶ビールを飲み始めた。鼻に抜けるフルーティーな香り。島でとれた果実を発酵させて作った地酒だそうだ。
「プッハー! あー、たまんねえ」
すると、浜辺のあちこちから奇妙な鳴き声が聞こえてきた。
「ズーピッ!」
「ズーピッ!」
気づけば足元には、ヤドカリに似た生き物が次々と出現していた。
巻き貝ではなくビールの空き缶を背負っていて、白い胴体の一部が見えた。
「ハハ! お前らも酒好き? ほらよ」
酔った俺は謎の生き物たちにビールをふりまいた。「ズーピッ!」の大合唱が波のように繰り返される。
飲みながら、1匹を缶ごと取り上げてみた。胴体が引っこむと、缶の奥で低い声が響いた。
「ゲッフ! あー、たまんねえ」
驚いてビールを飲みこむと喉の奥から、「ズーピッ!」と勝手に音が鳴った。
ファンタジー
公開:25/11/09 13:38
第三弾「ラベル小説」
X:@rara3322204150
・直近の入選歴:第二回新潟文学賞佳作、第二回有吉佐和子文学賞佳作、「大原美術館とあなたが紡ぐ物語~小川洋子がいざなう朗読会Ⅶ~」入選
・ゲンロンSF創作講座第7期生
・作家の藍銅ツバメ先生(「馬鹿化かし」発売中)に、拙作「トリの子」の扉絵を描いていただきました。
・monogatary.com様にて
みとゆな様小説朗読コン優秀賞/旧rara33: モノコンVlogドラマ賞監督賞/【MIYASHITA PARK空想映画祭】出演ポスター最優秀賞
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