脳の残業記録装置──余白のない時代に、思考を可視化する装置

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定時退社したのに、なぜか疲れている──そんな声が増えた時代に生まれたのが、『脳の残業記録装置』だった。

通知、SNS、比較──思考を止めない要素を検知し、脳残業時間を数値化する。
今日の記録:脳残業時間8時間42分、余白消失率96%。

測定を終えたあと、
なぜか涙が滲んだ。

効率化のはずだった技術は、余白を埋め尽くす新しい仕事を生み出した。
「いつでも働ける」は、「いつでも働かされる」に変わり、
「成果を出す力」は、「限られた時間で成果を出す力」へと変質した。

本当に、残業はゼロだったのだろうか?
SF
公開:25/11/09 17:00
更新:25/11/09 08:03
#脳の残業 #思考疲弊 #情報過多社会

問い屋

読み終えたあと、小さな違和感が残る短編を書いています。
その余韻が続く作品は、noteにまとめています。

https://note.com/toiya_story

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