チビチビ星人
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どの飲み会でも私のグラスだけ減らない。「もっとゴクゴクいきなよ」と急かされるたび、泡の表面がぷくりと震える。
ある夜、その泡から豆粒サイズの宇宙人が現れた。
『我々はチビチビ星人。急ぎすぎの地球に、あなたの速度を標準として再設定する』
彼らが跳ねるたび、周りのジョッキがゆっくりになった。グビグビ派もゴクゴク派も、一口の合間に会話と笑顔を挟み、同じペースで笑いはじめる。
『急がない一口が、一番遠くまで届く』
その一瞬に、本当の喜びが宿る。
翌月、新発売のビールのラベルに、そのフレーズが印刷されていた。世界は、チビチビと変わった。
ある夜、その泡から豆粒サイズの宇宙人が現れた。
『我々はチビチビ星人。急ぎすぎの地球に、あなたの速度を標準として再設定する』
彼らが跳ねるたび、周りのジョッキがゆっくりになった。グビグビ派もゴクゴク派も、一口の合間に会話と笑顔を挟み、同じペースで笑いはじめる。
『急がない一口が、一番遠くまで届く』
その一瞬に、本当の喜びが宿る。
翌月、新発売のビールのラベルに、そのフレーズが印刷されていた。世界は、チビチビと変わった。
ファンタジー
公開:25/11/07 16:41
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