洋子という女

「私と結婚してください！」
洋子はプロポーズを了承した。
40歳になる前に子供が欲しかった。母から急かされ、友人もほとんど結婚した。

婚活会員になって紹介された4人目の男性だった。ただ違うのは、婚活会社の職員だった。
婚約し式場も抑え、洋子は喜んだ。
ただ一つ気がかりだったのは、婚活会員ではなく、会社職員であるということだった。

「この結婚は破断よ！」婚活会社社長兼プランナーは言った。
「部下の不始末を洋子ちゃんにお詫びします。村井さー。突然、結婚を破断にするってどういうつもり。洋子ちゃんはご両親、友人、職場の人達にもう報告したんだからね。責任とって慰謝料払いなさいよ。」

村井は打ち合わせ会場を後にした。

社長は洋子に耳打ちする。

「今度も又、うまくいったわね。この調子で稼ごうね。」