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道に迷って困っていたおじいさんを案内したら、お礼に小さな幸せか大きな幸せを差し上げたいと言われた。俺は1秒も悩まずに答えた。
「大きな幸せ、と言いたいところだけど、小さいほうにしとくよ」
「おや? なぜだい?」
「元気に仕事ができる。家に帰れば妻と子がいる。もう十分すぎるほど幸せだからさ」
「そういうことなら望みどおり小さな幸せを返すことにしよう」
「楽しみにしとくよ!」と答えたが、気づいたら1人で神社の前に立っていた。
そして翌朝から玄関の前にトカゲやヤモリの死骸、きれいな葉っぱやどんぐりが置かれるようになった。いろんな模様の猫がかわるがわるやってきては去ってゆく後ろ姿を見かけるから、あの日道案内したのは近所のボス猫だったのかもしれない。もし大きな幸せが欲しいと答えていたら何が届いたのだろうという話題のおかげで、我が家は楽しく暮らしている。
「大きな幸せ、と言いたいところだけど、小さいほうにしとくよ」
「おや? なぜだい?」
「元気に仕事ができる。家に帰れば妻と子がいる。もう十分すぎるほど幸せだからさ」
「そういうことなら望みどおり小さな幸せを返すことにしよう」
「楽しみにしとくよ!」と答えたが、気づいたら1人で神社の前に立っていた。
そして翌朝から玄関の前にトカゲやヤモリの死骸、きれいな葉っぱやどんぐりが置かれるようになった。いろんな模様の猫がかわるがわるやってきては去ってゆく後ろ姿を見かけるから、あの日道案内したのは近所のボス猫だったのかもしれない。もし大きな幸せが欲しいと答えていたら何が届いたのだろうという話題のおかげで、我が家は楽しく暮らしている。
ファンタジー
公開:25/11/08 11:10
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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いちいおと