プハーの境界線

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会議が終わり、誰も動かない。
新人が缶を開けて「プハー」と言った。
会議室の空気が止まる。昭和生まれの部長が眉をひそめる。
「職場で“プハー”はどうかと思うぞ」

新人は缶を握ったまま黙る。
叱られた後の沈黙って、いつも喉が詰まる。

令和生まれの先輩が缶を開けて言った。
「部長、“プハー”って、関係性の潤滑油ですよ」
部長は黙って缶を開けた。
「……プハー」

空気が少しだけ柔らかくなった。
新人が言った。
「“プハー”って、叱られた後の呼吸なんです」
その声は、少しだけ震えていた。

問いは残った。
「世代間の摩擦って、“プハー”で乗り越えられるのかもしれない」
その他
公開:25/11/08 17:00
更新:25/11/08 22:07
#世代間ギャップ #職場の空気 #関係性の潤滑油

問い屋

問いを売る者です。

物語は、構造と余白で問いを設計します。
制度の隙間、感情の波形、沈黙の奥にあるもの。

わたしは、それらをすくい上げ、問いに変えます。
すべての経験は、問いを通じて物語に昇華される。

そして、物語は、あなたの中に問いを残すのです。

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