嫁ぐ
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ロボットに嫁いだ姉さんが久しぶりに帰省した。久しぶりに見る姉さんは、頭頂部にアンテナが取り付けられていた。私はそれを見て悲しくなった。以前の姉さんではなくなってしまったからだ。これから姉さんはこうやって少しずつ変わっていってしまうのだろう。私は無理に笑顔を作った。すると姉さんの頭頂部のアンテナがくるくると回転し始めた。姉さんは私に言った。お前は何か悲しいようだね。あのアンテナは人間の悲しみを探知するらしい。私は無理な笑顔のまま、自室に行き、しばらく泣いていた。
SF
公開:25/11/06 14:32
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象