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郊外の町で鳥と暮らしている。昼は名札をつけて放し飼いだ。連日の飲み会にうんざりして、今夜は休肝日にしようとビールを残したまま眠った。夜明け、グビッグビッと妙な声に起こされる。見ると、鳥がプワプワグニュグニュの体で叫んでいた。「うるさい、お前、千鳥になってるぞ。頭を冷やせ」と言うと、鳥は静かに外へ飛び出した。
残ったはずのビールは空っぽ。鳥の居た場所に紙切れが散らばっている。名札に書いた「メッセイジを下さい」への返事だろうか。
一枚目「閑古鳥と言ってゴメン、君のおかげで行列が出来たよ」。駅前の店主らしい。
二枚目「ウメェ~と鳴く羊さんと思ったら君だったね。みんなを笑わせてくれてありがとう」。保育園の紙だ。
三枚目「グビッ、たまらん、喉がなる。山の水おいしいよ、待ってます」。裏山の誰か。
鳥の居場所をたどるようにその紙の住所を巡ってみようか。プシュッと缶を開けた。
早く戻ってこいよ。
残ったはずのビールは空っぽ。鳥の居た場所に紙切れが散らばっている。名札に書いた「メッセイジを下さい」への返事だろうか。
一枚目「閑古鳥と言ってゴメン、君のおかげで行列が出来たよ」。駅前の店主らしい。
二枚目「ウメェ~と鳴く羊さんと思ったら君だったね。みんなを笑わせてくれてありがとう」。保育園の紙だ。
三枚目「グビッ、たまらん、喉がなる。山の水おいしいよ、待ってます」。裏山の誰か。
鳥の居場所をたどるようにその紙の住所を巡ってみようか。プシュッと缶を開けた。
早く戻ってこいよ。
ファンタジー
公開:25/11/01 09:00
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gonsuke