二次元VS三次元

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「タケル君は、彼女いるの?」
 合コンで知り合ったエーコを送り届けるところなのだが、彼女は相当飲んだらしく、終電に揺られながら思いっきりタケルの肩を枕替わりにしていた。悪いけど、俺にはユウナがいるんだ。スマホで今日の配信をチェックしていた。
「え、キモくない?」
 エーコが画面をのぞき込んでいた。そこには投げ銭まみれのブイチューバーがいた。
タケルが思わず横にずれたため、彼女は座席に横倒しになった。
「いったあ、最低。目が覚めたわ」
タケルはまた終わったと思った。
「二次元に負けるとか許せない。もう一軒つきあいなよ」
 タケルは覚悟して、朝までやっている店に入った。彼女はぐびぐび飲んでいたが、満足したのかテーブルに突っ伏して、寝言を言い始めた。
「ユウナには負けないんだから」
どこかで聞いたことのある声だと思ったら、ライバルのブイチューバーの声だった。
「リアルだったら負けないんだから」
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公開:25/10/31 23:36
更新:25/11/01 07:29

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