トリック？オア、トリート？

今日、彼に別れを告げられた。
何で？私の話も聞いてよ！
「今日はハロウィン。俺を驚かせる事が出来たら聞いてやるよ」
私は自信満々に言った。赤ちゃんができたの！と。
だが彼の反応は薄い。「で？」と一言。
このままではまずい…だから私はとても危険だけど、あれをやる事にした。
上着の裾を持ち上げ、お腹を彼に晒す。見ててね。
ボコボコと隆起を始める私のお腹。
とても痛い。でも、これに耐えないと彼は私の話を聞いてくれない。
私のお腹を裂いて、それは姿を現した。私と、彼の赤ちゃんだ。
赤ちゃんは彼に問いかける。
『トリック？オア、トリート？』
彼はトリート、私を助けてくれると思っていた。
だけど驚きで腰を抜かした彼は私達から逃げ出そうとする。
話を聞いてくれない彼を見て、赤ちゃんがトリックを実行する。
私と同じようにお腹を裂かれた彼。
「助けて…」と懇願されたが私は彼の声に耳を貸さず病院へと向かった。