鍵をあけたウイスキー

0
2

この短い話は、ただ人類の記憶から消えてしまわないように書きとめられたものだ。

人の心が外から見えないのは幸い、神様ありがとう。
でも、隠れているものであらわにならないものはない、との言葉のとおり、
隠れているものはいつか現れて現実を揺り動かすのかもしれない。

マスターが「新しいウイスキーだよ」とグラスを差し出してくれた。
味わったことのない不思議な味がした。私は酔ってはいなかった。
私は沈黙に浸り、心の奥に閉じ込めた気持ちにもう一度鍵をかけた。

マスターが2杯目のウイスキーを差し出してくれた。また不思議な味がした。
私は酔ってはいなかった。心の奥の気持ちにはまだしっかり鍵がかけられていた。
変わったことなどなく、ただ隣人の存在を感じていた。

その夜遅く1通のLINEが届いた。
あんなにも隠していたのに祝福の中にいた。

あのウイスキーは何だったのだろう。
何をしたのだろう。
恋愛
公開:25/10/29 17:26

kidohe

「蝋燭」が人生初作品、初投稿です。
よろしくお願いします。

普段は、韓国(アジア)ドラマ・映画の字幕監修者として働いています。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容