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『禁煙』の隣でそう謳う多様性居酒屋『令和で笑和』が話題だ。職場の飲み会でよく利用する。
今年の新人に小声で「部長のグラス空だよ」と耳打ちし瓶を渡す。しぶしぶ部長の席に行くと、まさか片手で注ごうとする。
瞬間、瓶は活きの良い魚の如くブルブルと震え新人は思わず左手を添えた。なお止まらずクルリとラベルが上を向いた所で動きを止めた。気付いた部長は「おお」とグラスを向ける。
「ラベルが上じゃな。最近の若いのは知らんやつも多いがよう分かっとる」と上機嫌だ。
おーいと専務からも声がかかる。新人が行こうとすると瓶は急に重たくなりテーブルにドンと着いた。
隣の瓶が青く光る。新人はそれを持つと専務の所に行った。残り物を上司に注がない為の機能の一つだ。
「吉田課長!」と叫び声。
今年も課長は懲りずにイッキしようとして安全装置が働き気を失った。どんな仕組なのか本人に聞くのだが、毎年笑顔で「記憶がない」と答える。
今年の新人に小声で「部長のグラス空だよ」と耳打ちし瓶を渡す。しぶしぶ部長の席に行くと、まさか片手で注ごうとする。
瞬間、瓶は活きの良い魚の如くブルブルと震え新人は思わず左手を添えた。なお止まらずクルリとラベルが上を向いた所で動きを止めた。気付いた部長は「おお」とグラスを向ける。
「ラベルが上じゃな。最近の若いのは知らんやつも多いがよう分かっとる」と上機嫌だ。
おーいと専務からも声がかかる。新人が行こうとすると瓶は急に重たくなりテーブルにドンと着いた。
隣の瓶が青く光る。新人はそれを持つと専務の所に行った。残り物を上司に注がない為の機能の一つだ。
「吉田課長!」と叫び声。
今年も課長は懲りずにイッキしようとして安全装置が働き気を失った。どんな仕組なのか本人に聞くのだが、毎年笑顔で「記憶がない」と答える。
SF
公開:25/10/27 15:03
まずは自分が楽しむこと。
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吉田図工